CRISTIANO by M+M Scognamiglio は、2009年7月に青山に新しく路面店としてオープンしたイタリアンセンスあふれるカメオショップ。
エレガントな店内の装飾はすべてイタリアでデザインされ、ショーケースにはM+M Scognamiglio社より直送のクラシックなカメオや芸術的なカメオ、モダンなデザインのものからカジュアルに楽しんでいただけるものものまで、洗練された幅広いヴァリエーションのカメオジュエリーが並んでおります。
M+M Scognamiglio 社(エンメ ピュ エンメ スコニャミーリョ社)は、1857年 イタリアシェルカメオの街 トーレ・デル・グレコに創立されました。世界で最も古い歴史と規模を誇るシェルカメオメーカーの名門です。
現在5代目社長ミケーレ・スコニャミーリョは、副社長で妻のマリーサ・スコニャミーリョのアシストのもと、米国ニューヨークに6代目(次男)アメデオ・スコニャミーリョ、日本では東京青山に(三男)クリスティアーノ・スコニャミーリョをおき、現在、日本で唯一の規模を誇るカメオショップとして皆さまの目を楽しませております。
1857年 創業者 ミケーレ スコニャミーリョ (1代目)により、イタリア トーレ デル グレコに創立
| 本社 | イタリア トーレ デル グレコ 社長 5代目 ミケーレ スコニャミーリョ 副社長 マリーザ スコニャミーリョ http://www.italycameo.com |
|---|---|
| ニューヨーク | ニューヨーク (1998年より) 6代目(次男) アメデオ スコニャミーリョ http://www.cameos.com |
| 日本 | 銀座 (2004年より) 6代目 (三男) クリスティアーノ スコニャミーリョ http://www.italycameo.jp |
| 社名 | CRISTIANO合同会社 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都渋谷区神宮前3 - 1 - 24 ソフトタウン青山101 |
| 電話番号 | 03-6804-1383 |
| 代表 | クリスティアーノ スコニャミーリョ |
| URL | http://www.cristiano.jp http://www.cristiano.co.jp |
このページではエンメ ピュ エンメ スコニャミーリョ社の工場内をビデオを使ってご紹介いたします。
工場長、ブランカッチョがサルドニックスシェルを使って皆様にシェルをカットする工程をお見せいたします。
アーティスティックな一枚のカメオが作家の技量に拠るものだけではないことがおわかり頂けるものと思います。
1) スコッパトゥーラ
シェルのすべての部分がカメオに使えるわけではありません。
カメオに使える部分だけをまず最初にカットします。
2) タリアトゥーラ
カットしたシェルに型紙をあて型をとり、さまざまなサイズにカットします。
ご覧いただいておりますように熟練を要する危険な作業です。
3)アッガルバトゥーラ
最終工程です。カット面をなめらかにしより美しい形に整えます。
このような工程を経て、一枚のカメオ用のシェルができあがります。
「カメオ」と聞いて知らないという人はまずいないでしょうし、その言葉を聞けば、誰もがたいていは愛らしい女性の顔が象られたアクセサリーのことを思い浮かべるでしょう。
しかし、カメオとは何か、また何から作られているのかを正確に知っている人はほとんどいません。
堅苦しい技術的な説明抜きにこの問いにきちんと答えるのは、時にとても難しいことのようにも感じます。
ここでご紹介できる、具体的かつイメージをつかみやすい最善のお答えは、「カメオとは、自然に形成される二層の天然素材に施した手彫り」であるということです。
最近では、どんな素材にどんな彫刻をしたものでも「カメオ」とされています。
オリジナルのコンセプトを何かに当てはめて同じようにみなすということは珍しくありません。
しかし、真のカメオは、少なくとも二つの条件をクリアしていなくてはなりません。
1.彫刻は必ず手彫りであること。
ただし、これは専門家でなければ見分けるのは難しいかもしれません。
2.二層であること。
これは、何にも増して最も大切な技術要素です。
実際のところ、彫刻は数多くの素材を用いてなされますが、それだけではカメオというのには不十分です。
コンク貝(巻貝の一種)などの、二層になった素材に彫刻を施すのはさらにずっと難しい技術です。
それぞれの層はとても薄く、彫刻師でさえ、どこまで彫れば最初の層が終わり次の層が現れてくるかがわからないからです。
この、二層かそれ以上のレイヤーを用いることで初めて、彫刻師は心に描いていたデザインやその奥行き、ニュアンスを表現することが可能になります。
この二層のバランスによって、まさにカメオがカメオたるその輝きと芸術的な造形が生み出されるのです。
トール・デル・グレコの彫刻家たちは、何世紀も続いてきた伝統を通じ、木や石膏、大理石などの単層素材の彫刻技術しか身につけることがないほかの彫刻家や芸術家と違い、この二層の素材を彫るという技術を磨いてくることができたのです。
(カメオ彫刻に使われる貝はこちら↑)
とは言え、珊瑚や溶岩、ターコイズといった、二層構造を持たない石に彫刻したカメオもけっして珍しくありません。
説明を単純にするために、これらのことも「カメオ」と呼んでいますが、技術的な面からいえばこれらは別のカテゴリー、あくまでも「彫り物」です。
ヨーロッパでも最も権威ある博物館のいくつかは、素晴らしいカメオ・コレクションを所蔵しており、定期的に大変興味深い展示を企画しています。
例えば、ナポリ国立考古学博物館にはカメオ専用の展示室が設けてあります。この部屋に足を踏み入れると、まるで歴史の時を遡る旅をしているような気分です。数えきれないほどの、ローマ帝国時代の石や貝のカメオが並んでいます。裸石のものや、優雅なアクセサリーに加工されたものがあります。
これらのほとんどは古代ローマの都市、紀元79年にヴェスヴィオ火山の大噴火によって灰に埋もれ、18世紀後半になって発掘されたポンペイの遺跡から見つかったものです。
このような貴重なコレクションの数々が、サンクトペテルブルグをはじめロンドン、パリ、ウィーン、フィレンツェと各地にあり、ヨーロッパの人々のカメオに対する思い入れと、その歴史におけるカメオの存在の重みを物語っています。
「彫り物」としてのカメオは、紀元前3000年から3500年ほど昔にさかのぼります。硬い石に、スカラベの姿など小型の彫りものが施されています。
はじめは古代シュメール文明やエジプト文明、その後にはギリシア文明で、甲虫を象った「スカラベ」は様々な石に彫られ、太陽や男らしい勇敢さの象徴として崇拝されました。
現在とほぼ同じ形が見られるのは、ローマ帝国時代のカメオです。紀元1世紀頃、文明は大変な繁栄を誇り、生活は非常に豊かな時代でした。当時の皇帝や富豪たちは、神話世界を象った彫刻や、一族の肖像画を収集するのが習慣となっていました。
一例として、かの有名な「アウグストゥスのカメオ」があります。
これはティベリウスの凱旋風景を描いたもので、彼が馬車から降りてくる様子が表されています。
それから「ティベリウスの瑪瑙 (Agate of Tibere)」。
ティベリウスがアウグストゥスの後継者として皇帝に即位する場面が描かれています。
これらの傑作は、何世紀もの間、国王や革命家、司教といった様々な収集家の手に渡り、しばしば争いが起こるきっかけにもなれば、その和解をもたらす要因ともなったのです。
ギリシア神話の宝石彫刻収集は、もともとは王族に限られたものでしたが、次第に一般市民にも浸透し、当時のローマ社会では一種のステイタス・シンボルとなっていきました。
しかしながら、カメオはただ富のシンボルというだけでなく、愛の誓いを象徴するものともなりました。
例えば、旅立つ者や、兵役に服す男性にはカメオが贈られました。
このような一般民衆のカメオに対する愛着が、その後のカメオの彫刻技術の発展を促していったのです。
5世紀になってローマ帝国が滅びると、それから約900年の間、あらゆる宗教においていかなる形式の偶像崇拝も否定されるようになり、彫刻芸術は著しい衰退を強いられることになりました。
だからこそ、ルネッサンス期はすべての芸術活動における「再生の時代」だったのです。
芸術を宗教に捧げた数世紀を経て、ふたたび、その目的は美を生み出すことであり、インスピレーションこそが芸術における太古からの変わらぬ源泉であるとされるようになりました。
裕福な人々はこぞって芸術のパトロンとなり、芸術家たちは日々の暮らしに心配することなく創作活動に打ち込めるようになりました。
当時の社会における最重要人物であり、絶大な影響力と財力を備えていたロレンツォ・イル・マニーフィコ(Lorenzo de’ Medici)は、カメオの名作を熱心に収集しました。
その最初のひとつは、フィレンツェ大使として初めてローマへ公式訪問した際の司教からの贈り物でした。
旅の途中で、司教は彼に、ローマの財宝から何でも好きなものをひとつ選ぶようにと告げ、当時弱冠14歳だったロレンツォはカメオを選びました。
それが、現在ではフィレンツェやナポリ、パリやロンドンといった各地の博物館に散って所蔵されている、非常に重要なコレクションの初めのひとつとなったのです。
およそ300年後、もうひとりの偉大な人物が、カメオの収集家兼パトロンとして登場します。
かの英雄、フランス皇帝ナポレオン・ボナパルトです。
彼はどのタイプのカメオにも夢中になり、それらを公式の戴冠用宝石にしたほどでした。
これは、「ナポレオンの戴冠式」という絵画のなかで、式に出席している女性全員がアクセサリーとしてカメオを身につけていることからもわかります。
ナポレオンは、その絶対的なカリスマ性をもって19世紀社会のファッションにも多大なる影響を与えたのです。
こうして、カメオはヨーロッパ中の王妃や王女のあいだで大評判のアクセサリーになりました。今でも、彼女たちの肖像画を見るとほれぼれします。
ナポリ王妃マリー・カロリーヌ、ボルゲーゼ王妃、 Duchess de la Rochefoucaulde、そして究極はヴィクトリア女王。みな、ティアラやネックレス、ベルトにまで、いくつものカメオをあしらっています。
ナポレオンは、収集が高じてついにはカメオ彫刻の学校を設立したり、すでに絵画や彫刻、建築分野でローマ賞を受けていた芸術家たちにカメオ彫刻部門賞を追加授与したほどの、まさにカメオのプロモーターでした。
今日でも、流行のファッションに影響を与える、カリスマパーソナリティとして重要な人々がいます。
カメオを身につけることで知られ、その芸術品がふたたび脚光を浴びるきっかけを作ったセレブは、イヴァナ・トランプ、ヒラリー・クリントン、それからサラ・ジェシカ・パーカーもそうです。
彼女たちがエンメ・ピュ・エンメ・スコニャミーリョ社のカメオを身につけて公式の場に登場したり、流行りのテレビドラマに出演すると、ファッション雑誌やファッション・ショップはこぞってそのカメオにふさわしい賛辞をもって褒めたたえます。
カメオは、今では“イタリアのお土産”ではなく、珍重される収集対象であり、貴重なアクセサリーとなったのです。
現代において最も評価の高いデザイナーの多くが、折にふれ自身のコレクションにカメオを取り入れています。最近では、ラルフ・ローレン、ドルチェ・アンド・ガッバーナが、またディオールのジョン・ギャリアーノは、彼らのショーですべてのアクセサリーにカメオを使用しました。
カメオの製法技術 トール・デ・グレコのすべての彫刻家にとって、カメオを彫ることは、職業や仕事というよりも「天の使命」です。
ほとんどの場合、彼らはその技能と門外不出の技術を、家族の工房で学びはじめます。
たいてい親方となるのは父親か親類の伯父で、弟子たちの中から最も才能あるひとりを選び、その技術を伝授します。
しかし、実際の彫刻にとりかかるまでには、長く緊迫した工程を経なければなりません。
この工程は、ざらついた貝殻を、みながよく知る愛すべきアクセサリーへと変身させる最初の一歩であり、作業工程のなかでもっとも重要なステップです。
1.貝殻は世界各地から採集されますが、もっとも優れているのはアフリカのモザンビーク、ケニヤ、マダガスカルで採れるもの、それからカリブ(バハマ、メキシコ、ホンデュラス)産のものです。
カメオに最適な貝を選び出すには長い経験が必要であり、採集は非常に大事な作業です。
私の父ですが、彼はこのステップにおいて大変優れた目を持っており、浜辺で見つけた貝からどんなカメオがつくり出されるかを正確に見抜くことができます。
ただコンク貝を手に取ってその重さを確かめるだけで、ただちにそのクオリティを判断することができるのです。
2.海で長い時間を過ごした貝たちが、とうとうトーレ・デル・グレコに到着します。
運ばれてきた貝は、たいてい屋根の上に並べられます。
そこでナポリの暖かな日差しを浴びてしっかりと乾かされます。
貝が乾いていればいるほど、カメオの仕上がりは美しくなるのです!
3.ようやく、カメオの製作工程が始まります。
まずは貝の前面を「カップ」と呼ばれる形に切り出します。
これはとても難しく骨の折れる作業で、熟達の職人が非常に鋭利な回転刃で、硬い貝をまるでバターのように2つにカットしていきます。
Armando Brancaccioは、私たちの工房で仕事をして30年になる家族のひとりで、彼自身はカメオ彫刻家の4代目にあたりますが、この彫刻の前の切り出し作業を受け持っています。
彼のおかげで、私たちは美しい名品をつくり出すことができるのです。
4.「カップ」に、つくりたいカメオの形を描きます。
貝はくぼんでいて平面ではなく、また様々な色味を帯びているので、どのような型を切り出すかは入念に検討しなければなりません。
切り出す型の数、大きさはどうするか、どんな形にするのか。
例えば、色の濃い大きなカメオをひとつだけにするか、それとも薄い色でいくつか小さいものをつくるのか、といった選択をしなければなりません。
従って、「カップ」に形を描いていく作業は、彫刻前の段階で最も重要なステップだと言えるでしょう。
5.最終ステップです。
型は最も大きいもので4インチほどの様々な大きさにカットされ、見慣れたオーバルの形に整えられます。
これで、彫刻への準備が整いました。
この段階で、貝は彫刻師のもとへ届けられ、その手によって製作工程の最後の仕上げを施されただの貝から芸術作品へと姿を変えることになります。
彫刻師は全員がフリーランスで、自宅で作業を行い、工場で仕事をすることはありません。
そうすることで、彼らは窮屈な企業的環境に抑圧されることなく自身の芸術的な感性を存分に発揮し、純粋な創作活動に打ち込むことができるのです。
彼らの作業台はたいてい自宅のベランダに置かれています。実は、人工光ではなく自然光のもとで作業をすることが、彼らにとって非常に重要なのです。
カメオ製作についてよく受ける質問のひとつは、「どのくらい時間がかかるのか?」ということです。
お答えできるのは、決まった答えを返すのはほぼ不可能だ、ということです。
カメオを彫るのは、絵画や彫刻の制作や小説の執筆と変わりありません。
芸術表現であり、時間が問題になったり、品質上の違いを生むことはありません。
博物館に展示されるほどの傑作を生み出すのに2日しかかからないこともありますし、逆にひとつのカメオに数ヶ月を費やしたからといって、それが自動的に「芸術品」になるとは限りません。
つまり、すべては情熱と才能の問題なのです。
そして実際、トール・デ・グレコでは、時間は問題にはならないのです。